祝日の朝。
夫が、「仕事で必要な資格の勉強をする、今から3時間」と宣言した。

ほう、と思い、それなら邪魔はすまいと子どもの世話と家事を一手に担った。
子どもにご飯を食べさせ、着替えさせ、洗い物をし、掃除をする。
洗濯ものを取り込んでたたみ、夫のいる部屋に持っていった。

そっとドアを開けると、非常に綺麗な姿勢で眠る夫の姿があった。
ツタンカーメンのような体勢とでもいおうか。
こちらに気づき、「寝てた」と一言つぶやいた。

それは見ればわかる。

「そのようですね」と答えて、用事を済ませ、ドアを閉めた。

うすうす予想はしていたが、やはりか、と思った。
本人としても、当初から眠るつもりはなかったのだろうけれど。
そもそも、布団のすぐ横にパソコンを置いて勉強しようとした時点で負けは確定だ。

その後、惰眠を貪った夫がそっと起きてきた。
「疲れた」とのたまったので、「棒のように一直線で寝てましたしね」と答えた。

こういうときの、沸々と湧き上がる憤怒、これはどうするのがいいのか正解を知らない。
とりあえず自分の中に寝かせておくことにした。寝かせて冷却を試みることにする。
いつか熟成されて噴出するかもしれないが、それはツタンカーメンの呪いだ。